海へ行く、轍のような足跡を見つける

夢中で写真を撮っていたら、たくし上げたデニムの膝上まで波をかぶってしまった。海へ行くなら濡れるに決まっているのだから、半ズボンを選べばよかった。

パイナップルが刺さったカクテルがよく似合いそうな1日だった。それから自転車のタイヤの跡かねえ、と思っていたものがヤドカリの足跡だったので、びっくりした。

10月だというのに、蝉が鳴いていた。降ってくる紫外線と熱で目玉が溶けそうな、まだまだ南国は夏だった。

帰宅後、瞬きのたび目の裏に疲れが染みて、日差しを浴びるのにも体力を使うんだなと思う。甘ったるい感じの疲労は、プールで泳いだり泣いたりした日の気怠さにどことなく似ており、夜はストンと眠れた。